変形性膝関節症の重症度は、4段階のステージに分類され、ステージ2以降は変形性膝関節症と診断とされます。ご質問者様はステージ2(変形性膝関節症・初期)とのことでしたが、診断から時間が経っているのであれば、もう一度診断を行った方がいいでしょう。なぜなら、変形性膝関節症は時間とともに進行するものだからです。ヒアルロン酸注射が効かないということは、ステージ3以上に進行している可能性もあります。その場合、漫然とヒアルロン酸注射を継続するのではなく、別の治療法について主治医に相談しても良いかもしれません。
保険診療の場合、飲み薬やヒアルロン酸注射が効かなくなり、膝の痛みのために日常生活が著しく制限されるようになった場合の次の治療としては、手術療法(人工ひざ関節や骨切り術)が選択肢として検討されます。
■変形性膝関節症の進行過程とひざの状態
正常な ひざ関節 |
太ももの骨(大腿骨)と脛の骨(脛骨)が接するひざ関節は、軟骨が衝撃の吸収や動きを滑らかにするよう働きます。
また、関節内を満たす関節液もクッションや潤滑油の役割を担っています。 |
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初期の ひざ関節 |
関節液の弾力性が低下すると、衝撃が大きくなるため、軟骨が徐々にすり減ります。激しい痛みはありませんが、動作時に違和感があります。
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進行期の ひざ関節 |
遊離した軟骨のかけらは関節内を覆う滑膜を刺激し、炎症が起こります。半月板の変性・損傷も同時に見受けられることがあります。
炎症の憎悪によって関節液が大量に分泌されます。水がたまるのはこのためです。
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末期の ひざ関節 |
負担が集中する部分の軟骨が完全になくなると、今度は大腿骨や脛骨が損傷します。こうなると、見てわかるほどひざ関節が変形し、歩行は困難です。
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■再生医療という選択肢
当院が行なう再生医療も、ヒアルロン酸注射等の保存療法で効果が得られない場合の選択肢の一つになり得ると考えています。
再生医療の一つPRP治療は、血液内に含まれている組織の修復を促す血小板を抽出、投与する治療です。当院では、PRPから余分な細胞成分を除去し、組織の修復を促す成長因子を2倍以上に濃縮した、PRP-FD注射を扱っております。PRP治療は変形性膝関節症の初期~進行期の適応となります。実際の治療の適応・期待できる効果などについては、患者様の膝の状態によって変わってきます。
■MRI診断で膝の状態を詳細にチェック
当院ではMRI診断を採用しています。レントゲンではわからない、半月板や軟骨の状態、骨の中の状態まで詳細な診断が可能です。診察とMRI画像をもとに、PRP治療の適応についてや、効果の見込みについてはひざ関節症クリニックのMRI診断で詳しくご説明しております。ぜひ一度ご相談ください。